ライティング作法2:読書で学ぶ文章のリズム
私自身、文章はリズムだと思っています。聞きやすい音楽と同じように、読みやすい文章はリズムが良く、リズムが狂うと読みにくい文章になります。
読むことと、聞くことはとても似ていると思っていて、音感があるように、文感(字感)も育てることができます。
一番の方法は、“読むこと”。
文体を学ぶ上では、たとえば同じ作家の小説をまとめて読むとか、雑誌なら同じものを一定期間毎月(週)読むとか。(それは、あくまでも紙媒体に限りますが)自分が書きたい文章と同じターゲット、同じ目的の雑誌を読むことは、文章のリズムを身につける早道です。
1. ライティングが身につく読書のポイント
書くことが身につく読書というのは、“好きで読んでいる”ことが大切です。
多くの場合、雑誌や同じ作者の作品を10〜12冊前後読んでみると、感覚的になんとなくわかってくるところがあります。
文体のリズムで特に注目すべき点は、
・文末の作法
・形容詞や接続詞の入れ方
・一文の長さ
などの点です。
最初から意識して読むと言うより、まずは自分の読みやすい文章、夢中になれる文章を見つけること。
もっとも、小説の文章などは主観的だったり実験的に文体を変えたりすることもあるので、ライティングの基本にするのは雑誌類の文章が良いでしょう。
2. ライティング修行のための記事の見分け方
私が仕事をしてた20年前、大手雑誌の記事のライターは基本的に編集部から依頼されたライターや、たまに編集者自身が書くこともありました。
たとえ記名原稿であっても、文末に出てくる「文/○○」とあるのはライターさんが多いと思います。
記事内容にもよりますが、ライターや編集者が書いている記事は、もっともスタンダードなスタイルなので、その雑誌が好きなら、しばらく定期購読してもいいですね。
*定期購読といえば、送料無料で割引きがあってオススメのこんなサイトもあります:『雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jp』
また、タイトル下に名前が来る人は、作家だったり、有名ライターだったりするので、読みやすいと感じた人がいたら、名前で検索して他に書いているものを読んでみるのも有効です。
3. 小説から学ぶライティング
興味をひく雑誌が見つからないというなら、文学書(小説)で同じ作家のものをまとめて読むのが、オススメです。
内容は違っても、書く人が同じだと、その人なりのリズムというのが感性として自然に身につきます。
飽きたら別の作家のものをまとめて読むということを繰り返すことで、文体のリズムの違いがわかるようになります。
それは、今後ライティングをする上で、ターゲットや目的によって文体を書き分ける上での重要なスキルになります。
小説を選ぶポイントは、できるだけ大御所の作家の作品が良いです。また、文体のリズムを学ぶ上では、ビジネス書や実用書は目的が異なるので、あまりオススメしません。
本を選ぶときは、あくまでも「面白い」を基準にしましょう。
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